集成材のデスクライトの製作過程
集成材のデスクライトの製作過程です。
使用材料
使った材料の画像です。
照明器具なので、電気関係の部品もあります。
(あたりまえか)
×が付いているのは、用意したけど使わなかった材料です。
材料費は5,000円~8,000円程度です。
A:杉の集成材 厚さ18ミリ (好きな材種でオーケー)
杉の集成材はこちらのショップでも入手できます。
⇒ オカモク楽天市場店
B:LEDテープライト
今回使用したものです。
C:スイッチングアダプタ
こちらも今回使用したものです。
D:ケーブル
赤黒の平行線です。
E:トグルスイッチ
トグルスイッチはレバーでオン・オフができるタイプのスイッチです。
今回は『単極単投』といって、ハンダ付けする接点が2本の一番単純なタイプです。
図示の寸法が板の厚み以下の小さなものを選びましょう。
F:アルミパイプ曲げ用の樹脂パイプ:内径11ミリのもの(ホームセンターなどで買えます。)
G:アルミパイプ:直径10ミリのもの、長さ1mでOK。(ホームセンターなどで買えます。)
H:アジャスター受け座:次の皿小ネジに取り付けるので、ネジサイズを合わせます。(W1/4、1個)
I:皿小ネジ:長さ20ミリのもの、ナットとセットです。(W1/4、1組)
J:スペーサー:呼経6ミリ、皿小ネジが入るものです。(1個)
K:集成材:厚さ18ミリ、直径200ミリの円盤が取れるサイズ、好きな材種で。
(今回は手持ちのホワイトパインです。)
L:角材:25ミリ×25ミリ(切り出しでもオーケー)長さ150ミリ程度
M:アルミパイプ曲げに使うタッパー、直径100ミリ程度。
ダイソーで調達しました。
N:ゴム足:両面テープ付が便利です。(4個)
その他:オイルフィニッシュなどの塗料とアクリルシリコンスプレー
必要な工具
必ず必要な工具
- 木工用ノコギリ
- 糸のこ
- 金切りノコ
- ドリル(できれば電動ドリル)
- クランプ
- ものさし
- ノミと金づち
- 彫刻刀
- ドライバー
- サンドペーパー
- サンドハンダーかサンドペーパーブロック
- ハンダごて
- コンパス
あると便利な工具
- ソーガイド
- ドリルスタンド
- 万力
- 木工用エポキシ
- ハンダごて用ピンセット
- 鉄工用ヤスリ
- 木工用ヤスリ
- ピラニアノコとガイド
- ワイヤ(1ミリくらいの太さ、1mくらい)
- さし金
図面はこちらからダウンロードできます。
集成材のデスクライトbyとねりこ
準備はだいたいこんな感じ、次はいよいよ製作手順です。
製作過程
上下のベース円盤プレートの製作
材料のはぎ合わせ
まずは上のベースプレートの材料をはぎあわせます。
4枚木目方向を組み合わせて並べて切り出します。
木工ボンドは貼りあわせた後圧着させることが大切。プロならここで長いクランプを使うのですが、一本何千円もするので私はよくゴムバンドで代用します。結構うまく接着できます。
ベース円盤プレートの切り出しとパテ処理
うまく接着できたので、気を良くして切り出しです。
円形の墨出し、ダイソーの100円コンパスです。
下のプレートも切り出します。 糸のこを通すための穴をあけました。
作業台にクランプで固定して糸のこで切り出します。
小さなクランプなら400円くらいで買えます。
ダイソーなら100円で売っています。
糸のこはこれくらいフレームの深いものでないと、木材に当たって切り出せません。
上の円盤プレートを切り出しました。
下のプレートも同様に切り出します。
切り出した後は小口が荒いので、木工用のやすりをかけます。
サンドペーパーで仕上げます。
ドリル穴が残ってしまったので、パテで補修します。
まだまだ修行が足りませんね (^_^;)
円盤の裏側にもスキマが空いたので、パテ埋めで補強します。
表のスキマも埋めて目立たなくします。
アルミパイプの柱の曲げ加工
アルミのパイプを曲げるのは、意外とハードルが高い加工です。
DIYのレベルで熱を加えないできれいに曲げるのはちょっと根気が要ります。
私はこれ、一回失敗しました。
失敗したパイプです。
こんな感じでつぶれてしまうんですよね(汗)
ちょっと急いで曲げようとしたのと、曲げの曲率が小さすぎたのが原因です。
では、気を取り直して・・・
まずは塩ビのパイプに切り目をたくさん入れます。
こんな風に曲がります。
作業台にガイドになる木材と円形タッパーをビス止めして、塩ビパイプに差し込んだアルミパイプをセットします。
タッパーの柔らかさがちょうどいいです。
90度近く曲がりました。
じっくりゆっくり、あせらない、あせらない・・・
なんとか直角まで曲がりました。
きれいな1/4円とは行きませんが、まぁ、これも手作り感ということで (^_^;)
照明ヘッド部分の製作
続いてLEDを取り付けるヘッドの部分を作ります。
集成材の切り出し
まずは杉の集成材の切り出しです。
『ソーガイド』を使うと直角にまっすぐ切れます。
上から見るとこんな感じです。
ノコの当たるラインから、左に150ミリのところに正確にガイドになる木材をクランプで固定します。
円盤のガイドでノコの垂直・直線が安定して正確に切り出せます。
凹型の切り込み
まっすぐ切れたので、今度は凹型の切れ込みを作ります。
ルーターやトリマーなどの電動工具なら簡単ですが、持っていないので、ノコとノミで作ります。
最初に鉛筆で墨を入れます。
小口にもラインを入れておきます。
凹型の底面に彫刻刀で切込をいれると切断ラインがきれいに仕上がります。
凹型の両側のラインを切ります。
続いて2本のラインの間に5ミリ間隔程度で何本も切り込みを入れます。
彫刻刀で入れたラインにノミを当てて凹型の部分を落としていきます。
横から削りながら深くしていきます。
切りだせました。
この瞬間、ちょっと快感です(笑)
凹型の底をノミで整えます。
ヘッドつけ根部材とテープライト溝の製作
25ミリ×25ミリの正方形断面の部材を切り出します。
凹型の部材にはめ込んでみます。
ピッタリ隙間なく入りました。
テープライトや配線を入れるための溝の墨出しをします。
溝を作っていきます。
ピラニアノコや彫刻刀を使って正確に。
よく見ると、ちょっとデコボコですが、気にしない(笑)
ヘッド本体部材にも溝を作ります。
杉の木目で彫刻刀が逸れて曲がってますね。
パイプを差し込むための穴をあけます。
電動ドリルのスタンドをセットするために治具を作ります。
ちょうどいい高さにセット面を作りました。
きれいに明きました。
ヘッド部分の基本形ができました。
柱パイプとベース円盤、ヘッド部分の加工と組立て
パイプとベース円盤の加工
次は、組立前の加工工程です。
パイプを寸法どおりに切ります。
金切りノコもダイソーです。
ピラニアノコ用のガイドを使っています。
ベース円盤の上プレートに直径10ミリの穴を明けます。
今度は金物の登場です。
アジャスター受け座と皿小ネジです。
スペーサーも使います。
こんな感じで皿小ネジと受座とスペーサーをセットします。
杉材はキズがつきやすいので、伏せるときは厚紙で養生(保護)します。
受け座の頭が納まる浅い座ぐり穴をドリルで彫ります。
図面にもありますが直径19ミリ、深さ4ミリです。
下の円盤プレートにも皿小ネジを通す穴と座ぐり穴を作ります。
下の円盤プレートの下面です。
下の座ぐり穴には、ワッシャーとナットが納まります。
直径19ミリ、深さ7ミリです。
スイッチ穴の加工
トグルスイッチです。
薄い鉄板などに取り付けるようにワッシャーと薄いナットがついています。
ワッシャーとナットを外すとこんな感じです。
ネジの頭が上の円盤プレートからナットの厚み分出る寸法で穴を加工します。
小さい方の穴がスイッチ用、このスイッチ用は直径5ミリです。
スイッチの四角いサイズで墨を出します。
このスイッチの場合は8ミリ×5ミリでした。
ここは彫刻刀の登場です。
これもダイソー、お世話になります。
スイッチ用の穴が彫れました。
裏から見ると四角い穴の奥に先にあけた5ミリ直径の穴が見えます。
スイッチを入れてみました。
端子が2本見えていますね。
上面から見ると、スイッチのネジがちょこっと出ています。
ナットを入れてみました。
ちょうどいい感じです。
スイッチ穴はこれでオーケーです。
回転ストッパーのための溝加工
上の円盤プレートは下の円盤プレートの上で左右に45度ずつ回転するように作りたかったので、そのための加工をしました。
下の円盤プレートの上面に溝を墨出しします。
ここでも彫刻刀が活躍します。
この円弧状の溝に、上円盤プレートの下面に取付けた木ねじが走って45度のところで回転を止めます。
下のプレートの上面にも深さ4ミリの座ぐり穴をあけます。
配線のための各部の加工
上のベース円盤プレートの裏側に
配線用の溝を墨出しします。
柱パイプを通す穴とスイッチを入れる穴を溝でつなぎます。
赤黒の平行線を入れてみました。
うまく納まっています。
電源コードが抜けるのを防ぐための押さえプレートを作ります。
厚さ1ミリ程度の適当なプラスチックを切り出してそのための溝を彫ります。
発行した人はまさかこんな使い方されているとは思わないでしょうね(笑)
マスキングテープは接着が弱いのでこんな時に活躍します。
配線穴は5ミリです。
配線穴の両側に、アルミパイプ柱を固定するためのビス穴を45度斜めに2箇所あけます。
はは、かなり斜めってますね。
アルミパイプを差し込んで穴の位置をけがきます。
赤いマジックでビスを入れる位置をマークしました。
ヘッドつけ根部材にもパイプを差し込んで固定用のビス穴をあけます。
皿ビス用の座ぐり穴も開けます。
パイプ側のビス穴マーキングです。
アルミパイプ側に固定用の木ねじより少し小さめの穴をあけます。
ミニ万力が便利です。
こちらはベース側の穴です。
配線がパイプから出る穴は大きめ。
反対側はスイッチ側の配線のために大きくあけます。
パイプを止めるための木ねじの先端は配線をキズつけないようにカットします。
アルミのパイプは柔らかいので、小さめに穴を開けておけば木ねじは食い込んでくれます。
これでパイプの加工はおしまいです。
部材の着色と木部の仕上げ
ここで着色工程です。
この二つの部材に着色します。
ワシンのウッドオイル、チェリーを使っています。
こんな組み合わせになります。
ヘッド部分の仕上げ工程に移ります。
木工ボンドをつけて接着します。
はさみ込むので精度が良ければ圧着は不要です。
接着したら、LEDテープと配線のための溝を彫ります。
組立てと配線
パイプとヘッド、ベースの組立て
いよいよ組立の工程に入ります。
ヘッド部分にパイプを差し込んでビス止めします。
ベースプレートにも差し込みます。
ちょっとゆるかったので、パイプと穴の間に木部用のエポキシパテを詰めました。
しっかり固定されます。
差し金をあてて垂直を確認します。
LEDテープの取付と配線
次は配線です。
いよいよ主役、LEDテープライトの登場です。
このライトにはソケットも付いているのでそれも利用します。
なかなか便利です。
マスキングテープで仮止めすると作業がしやすです。
呼び配線用のワイヤを下の穴から入れます。
テープライトについている赤黒の平行線をちょうどいい長さで切ってワイヤに取り付けます。
ワイヤを引っ張って平行線をパイプに入れていきます。
テープライトのところまで引っ張りました。
テープライトは一本目を200ミリのところでカットしてあります。
テープライトには両面テープが付いているので、簡単に貼れます。
両側の溝にもカットしたテープライトを貼り付けます。
溝は200ミリの両側に配線スペースを5ミリずつ設けてあります。
平行線をカットして切り離したテープライトの端子同士をハンダ付けします。
プラス同士・マイナス同士、向きを間違えないように貼り付けておきます。
つけ根側もハンダ付けして、三本のテープが直列でつながりました。
前の画像の一番下のテープが一番端、最後は切りっぱなしです。
次にベース円盤部の配線取り出し穴からソケット側の平行線を差し込みます。
上から降りてきた平行線は、プラスかマイナスのどちらかだけがスイッチまで行き、接続箇所まで戻ります。
トグルスイッチを穴に差し込んで、ナットで止めます。
私は前に倒すとON,後ろに倒すとOFFにしましたが、どっちでもいいと思います。
ちょっとわかりにくいですが、左の太い赤線は、コンセント側のプラス、上から降りてきた赤いプラスをここでつないでいます。
(上から降りてきた赤線は後ろに隠れて見えていません)
右に伸びた赤に見える細い線は、黒いマイナスの線から赤線を剥がした後で、赤いビニルが残っているので、実際は黒いマイナス側の線です。
つまり、マイナスの線だけがスイッチの方に行って帰ってきて、左から来ているコンセント側の黒い線につないでいます。
トグルスイッチの二つの端子に黒線をハンダ付けしています。
絶縁テープを間にはさみました。
絶縁テープで巻いて配線を納めた状態です。
配線の抜けドメを木ねじで止めて、回転軸になる皿ビスを受け座に通して取付けました。
回転止の溝内を走るナベ頭の木ねじもスイッチの右に取り付いています。
配線はこんな感じでおしりから出ています。
ここで点灯確認
実はハンダ付けがうまく行っていなくて浮いていたので一度で点灯せず、やり直していました。
なので点灯した時は感動でした。
さあ、つぎはいよいよ仕上げの段階です。
仕上げ
ヘッド部分に見えている配線を隠します。
薄くスライスした杉材でフタをしました。
つけ根側もフタをしました。
皿ビスの穴もダボで埋めています。
カッターで切れ目を入れて着色して茶色がつながるようにしました。
ヘッド部分の完成です。
ベースのおしりのビス穴にダボを入れて切り落とします。
赤黒の平行線に黒い絶縁テープを巻いて色合せしています。
最後に下のベース円盤プレートの裏にすべり止めのゴムを貼り付けて、軸のナットを締め込んで完成です。
ナットにはスプリングワッシャーの方が具合が良かったので交換しました。
完成です!
ここまでお付き合いいただいて、ありがとうございました。
完成品のデスクライトのページはこちら
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